所在地:福岡県春日市春日公園
JR大野城駅に西接する筑紫地区遺跡は、須玖遺跡群の南東約2.7kmに位置し、弥生時代から古墳時代を主とする広大な遺跡です。
弥生時代中期のSK101土坑は約14.2m×9.5mで、土坑内からは赤色顔料を施した大型の器台、壺、甕など祭祀用の土器類が数多く出土しています。
青銅器関連遺物としては、中期後半頃の土器に伴って中細型銅戈鋳型、後期になると巴形銅器の鋳型が発見されています。
巴形銅器鋳型の出土例は、我が国でもこの筑紫地区遺跡と吉野ヶ里遺跡、福岡市那珂遺跡の3例という貴重なものです。
とくに、筑紫地区遺跡の鋳型は、香川県森広天神遺跡から明治時代に出土した3例の巴型銅器と一致することが判明し、奴国で生産された製品が遠く瀬戸内海まで確実に運び込まれたことを明らかにできたという点で学術的に高く評価されています。